山行報告 | |||
報告者 : 秋月康敏 | |||
山 名 | 桟敷ヶ岳 | 山行名 | 例会 |
ルート | 祖父谷ー桟敷岳ー岩茸山ー薬師峠ー志明院 | ||
山行日 | 平成23年4月13日 | 天候 | 快晴 |
参加者 | CL : 秋月康敏 SL : 畑 武司 男性 : 佐々木、 石田、 隅谷、 徳田(誠)、 北村、 津田、 山下、 西川、 倉光、 山口、 中廣、 守口、 峯岡、 後藤、 村上、 金本、 佐坂、 樋口 女性 : 西上、 吉津、 秋月、 上杉、 進藤、 堀、 杉山(入会希望) 合計 : 27名 |
||
ルート概略図と コースタイム | |||
山行報告 | |||
佐々木さんにアドバイザーをお願いし、祖父谷川林道からが最適と薦められた。前日志明院に拝観と駐車の予約を入れた時にも、住職から同じルートの薦めがあり「豪雪のため倒木で道が荒れてるから注意」と忠告あり。林道は通行禁止の標識もあったが、当初予定の近くまでバスが入り時間短縮が計れた。うっかりすると通り過ぎてしまう登山口だ。いきなり急登はいつもどおりだが、やはり豪雪のためかなり荒れている。約1時間の急登を過ぎて11時に山頂に着いた。Tさんに「惟喬親王が桟敷で京の都を望んだ場所はどこですか」と聞かれ、誰かが少し手前の送電線鉄塔辺りと云ってくれた。「あそこだったら京の都は一望できるね」と納得。Tさんに特別講演を依頼「志明院でやりましょう」と快諾してくれた。集合記念写真を撮り少し早いが昼食タイム、小春日和の気持ちよい清々しい天気だ。 降り始めて約20分、電波反射板の下で止まったので「何でここで止まるの?」と聞くとここが岩茸山だと云う。地図を見てSさんの説明で納得。更に笹枯れの道を下り、薬師峠の分岐に着く、六体地蔵が整然と並んでいた。そこから25分ほど下って細い渓流沿いに歩く、誰かが「鴨川の源流だ」と云ってた。鴨川源流の最初の一滴は志明院の中なのだが・・・13時40分志明院に着く。室町時代に再建された仁王門をくぐりゆっくり観て廻った後Tさんに講演をお願いした。 役の小角、弘法大師、歌舞伎の「鳴神」、竜神を封じ込めた護摩洞窟、雲の絶間姫など楽しく聞かせてくれました。神降窟の湧水はとってもおいしくご利益がある感じがしました。 Sさんのアドバイザー、Tさんの講演ありがとうございました。 |
|||
感想文 | |||
京都北山・桟敷ヶ岳に参加して | |||
後藤正道 | |||
山城30山の桟敷ケ岳に登ったのは2007年9月8日だった。その後、季節を変えて何度か登っているが、本当に北山のコースは四季折々微妙に変化しており、登山道は気を抜けない。北山では、道標があり道が整備されているという概念を捨て、読図力を養い、しっかりと踏み跡を確認して行動しなければならない。迷った時は、必ず元の場所まで戻ることは言うまでもないが、北山の歴史を考えると、集落と山道と峠は人々の生活(林業など)と密接な関係があり、また村と村を結ぶ重要な山道であったから、どうしてもわからないと思ったら、谷を下れという言い伝えが残っている。 桟敷ケ岳の山名については、惟喬親王に由来していることは皆さん御承知の通りであるが、此の事は「平家物語」8巻の名虎にくわしく書かれている。文徳天皇の第1皇子惟喬親王と第2皇子の惟仁皇子の皇位争いは、古来、例のない競馬と相撲の勝負というおよそ考えられない儀式によって決められたという。皇位争いはそれぞれを補佐する大臣,卿相の思惑もあって錯綜したに違いない。桟敷の名は山頂に高楼を建て都を眺望したという伝承から名づけられたという。帰路に拝観した岩屋山志明院金光峰寺は,役ノ小角の開基で、ここでは徳田誠さんから歌舞伎「鳴神」の物語を楽しく聞いた。また、皇位争いで述べた相撲は歌舞伎では桟敷嶽で行われたと演じられている。 どの山も杉・ヒノキの植林地で覆われているが、わずかに残っている雑木林には、シャクナゲやタムシバが彩りを添えている。 鴨川から望まれる北山は、青々と連なっており、中にちょっと突出した頂が、雲取・皆子・桟敷・愛宕などの残丘である。地質学上では北山は丹波高原に含まれ隆起準平原と呼ばれ、貫入した花崗岩が侵食作用で深い谷を造ったものと言われている。 気候的には、瀬戸内海式と言われているが、比叡山などは日本海式気候の影響を受けているので、比叡おろしや北山時雨という風流な独特の言葉もある。 動物では、ツキノワクマやシカ、近年カモシカも増えてきているそうだ。 厄介なのはあのヤマヒルである。此の事は「かんなび」に書いてあるので参照ください。 さて、先日の桟敷ケ岳下山の時、周辺の山々で眺めた白い辛夷かタムシバかの花談義であるが、日本植物図鑑に寄れば、その見分け方は極めて単純明解で『辛夷は花の下に1個の若葉が着くのが特徴で、タムシバにはそれがない。』だそうです。 またタンポポでもよく話題になる日本タンポポと西洋タンポポの違いであるが、花の周りを包む総胞が反りかえっていないのが、元祖日本タンポポでセイヨウタンポポは総胞が反りかえっている。自然にはこうした類似の植物が多くある。それらの見分け方も習得したらもっと自然が楽しめるのではなかろうか。 春めざむ 雑木の中に点々と 辛夷の白き 装おい嬉れし ひでを |
今日も登るぞ!!!
|
いきなりの急途の始まり
|
さあ がんばれ
|
鉄塔下には残雪も
|
腹が減っては・・・・
|
薬師峠の六体地蔵
|
薬師峠にて
|
志明院参拝
|
志明院
|
|||
Photo by Sasaka |